おわりに

本書は、「頭が良い」とは何かという問いから始まり、他人の評価、社会の文脈、自己目的、そして未来予測や創造に至るまで、知性の本質をさまざまな角度から探ってきました。

「頭が良い」という言葉は、私たちの人生にとってとても身近でありながら、その実体は極めて曖昧です。そして、多くの場合、それは他人の目を通した「ラベル」として使われています。評価されることを追い求めるあまり、本当の自分の考える力や感じる力が見えなくなってしまうこともあるでしょう。

しかし本書で見てきたように、知性には多くのかたちがあります。目に見えるもの、見えないもの。すぐに結果が出るもの、長い時間をかけて発揮されるもの。他人から称賛されるもの、誰にも気づかれないままに光り続けるもの―そのどれもが、かけがえのない「頭の良さ」の一部です。

この本を読んでくださったあなたが、もしこれから「頭が良いとは何か」と考えることがあれば、どうか自分の思考や感性そのものに耳を澄ませてください。他人にどう見えるかではなく、「自分は何を大切にして、どう考えたいのか」に目を向けてください。

他人に「頭が良い」と言われることは、ひとつの結果にすぎません。もっとも大切なのは、「自分で考えることを楽しみ、自分の頭を信じられること」。そのような人こそが、本当の意味で「頭の良い人」なのだと思います。

知性とは、技術でも地位でもなく、生き方のひとつの在り方です。本書が、その生き方についての深い問いを、あなたの中に育てる一助となれば幸いです。


頭が良いとは何か ― 見える知性と見えない知性
著者 竹川 レオナ
発行者 ララレオナ出版

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